カカシ達のジレンマ
深夜3時、カカシ達は蠢きだす。
カカシである目的を完遂するため、日夜彼らはトレーニングを欠かさない。天敵であるカラスを追い払うための肉体改造を夜行っているのだ。そのトレーニングは過酷を極める。その様子には、天敵のカラスもドン引くほどのものだ。まず畑の外周を1万周走り、その後間髪入れずに腹筋1万回。腕が固定されているから、これが思いのほか応える。その後スクワット1万回。日中はどうしても立ちっぱなしなので、足腰を鍛える事が一番大切だといえるからだ。しかし、これだけカラスを追っ払うことに一生懸命でも、結局日中は人間の目もあるから動く事が出来ない。せっかく鍛えた身体中の筋肉が、全く作用できない。
それを分かっているカラスが今日も作物を奪っていく。無情な毎日に嫌気がさしている私たちは今夜もストレスを発散するかの様にトレーニングに明け暮れるのだろう。