空想にモウソウ mimic wood owls

一枚の写真からのインスピレーションで、好き勝手文章を書きます。自由過ぎてすみません。※全てフィクションです。

赤首の鳥

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木のみを食べた後、私の首元は真っ赤に滲む。そう私は不器用で木のみを食べる時、必ず木のみの汁が自分にかかってしまうのである。そんな鈍臭い特性から仲間たちからは『汚れダルマ』と呼ばれてしまっている。しかも、この体たらくは雌から見てもマイナスに映るらしく、生まれてこの方雌とつがいになったことはない。首元が赤いが故にチェリーボーイをだっしきれずにいるのである。童貞のまま終わるのは、どうあっても避けたい事実だ。だから、何度も木のみを綺麗に食べる練習を積んだが、どうにも上手くならない。知り合いで木の枝をナイフのように使い、タネを上手く取り除くという器用な奴がいるから、そいつにも教えを請うたがなかなか上達には至らず、私はいつだって季節外れのサンタクロースのようであった。

しかし、私は知る由もない。この木のみを身体に塗ることで木のみの匂いを嫌う外敵を遠ざけていたことを。そして、将来この種の鳥は皆一様に首元が木のみの赤に染まることを。